妊娠期・授乳期 (母親)

妊娠期・授乳期
  • 胎生期の栄養は、胎児の各臓器のDNAの働きに影響を与え、将来の健康や疾病へ大きな影響を与える
  • 母親の痩せや肥満、生活習慣や病気、栄養が出産時の母子のリスクや、母子へのダメージ、回復、子供の成長に関わる
  • 胎児期や乳児期の悪い環境が、生活習慣病を起こすリスクを上げる (悪い環境、生活習慣により、生活習慣病は胎児期に発症しているというデータもある)
  • 母親は妊娠〜授乳期に、複数の栄養素の欠乏や必要量の不足が起こりやすくなるため、必要な栄養素、必要量を知ることで、子供や母親の将来を守ることができる

このように、妊娠期の栄養や生活習慣で、子供の体質や病気リスク、母親の妊娠中や妊娠後の健康に大きく関わります


エネルギー必要量

  • 妊娠初期 50kcal
  • 妊娠中期 250kcal
  • 妊娠後期 450kcal
  • 授乳期 350kcal

非妊娠時に加えて、妊娠の進行とともに1日あたりこれだけの付加量が必要です

しかし同じ摂取量でも、痩せ型の方は体重は増加しやすく、太っている方は脂肪の蓄積が少ないので、自分の体型と体重の増加量を目安に、栄養が十分かを知る必要があります


栄養素

必須脂肪酸

  • オメガ3脂肪酸 (アラキドン酸やDHAは神経組織の構成成分となり胎児の器官形成に必要)
  • 新生児のDHA保持量は、頭囲や身長、体重に大きく影響する

タンパク質

  • 母にとって、筋肉、内臓、脳、神経、血液、皮膚、ホルモン、酵素、免疫の材料となる
  • 胎児の成長にとって、脳、心臓、肝臓、骨格筋、臓器を作る材料となる

タンパク質が十分に摂取できているかできていないのとでは、赤ちゃんの生まれた時の体とその後の成長が大きく変わる

摂取し過ぎには注意が必要


ビタミンA

  • 視覚、聴覚、生殖の機能維持
  • 皮膚、粘膜の上皮組織の正常保持
  • 子供の成長促進

ビタミンAは、妊娠後期に特に必要な栄養素となります

妊娠前期の過剰摂取には顔の奇形や先天性を引き起こす可能性があるため、過剰摂取には注意が必要だが、過剰摂取となるまでは相当な量の摂取になる


ビタミンB12

  • 神経系・脳・DNA合成・赤血球形成に重要
  • 特に重要なのは、神経管や脳の発達
  • 低出生体重予防
  • 貧血
  • 神経管閉鎖障害リスク増加(葉酸不足と関連)

胎児や乳児に、ビタミンB12が不足すると、発育不全や運動障害を起こす可能性があります。


ビタミンD

  • 皮膚からのビタミンD合成をしずらい北方の地域の母親から生まれた乳児の1/4はビタミンD欠乏で生まれてくる
  • ビタミンD欠乏状態の場合、くる病、骨が柔らかい、O脚、骨変形、成長障害、骨発達、呼吸器、神経発達、代謝に影響を与える

葉酸

  • 胎児の遺伝子の使われ方に大きく影響 (どの遺伝子をONにするかOFFにするか調整)
  • 神経管閉鎖障害の予防 (脳と脊髄になる神経管を正常に閉鎖するために必要で、閉鎖がうまくいかないと、脳や脊髄の形成に異常が起こる)
  • 葉酸は妊娠初期に最も必要とされる
  • 無脳症予防 (胎児の脳の大部分や頭蓋骨を正常に形成するのに必要)
  • 貧血、免疫機能低下、消化管機能異常の予防

妊娠中期以降の不足にも注意が必要で、不足すると低出生体重児の発症リスクが2倍に上がる

妊娠を計画している女性は、食事から摂取することを心がけ、加えてサプリでの摂取も必要とされています (サプリはメーカーによっては体に悪影響を与えるものが多く売られているため、正しいものを選ぶことが重要です)

飲酒は葉酸を排出します


カルシウム

  • カルシウムは、胎児へ優先的に送られるため、お母さんの負担がかなり大きくなる
  • お母さんにとって、骨、歯、神経、筋肉、心臓、血液凝固に重要
  • 胎児にとって、骨の形成、歯の土台、神経発達に重要
  • 妊娠高血圧症候群予防

妊娠中は、カルシウム吸収量が増加しエストロゲンは非妊娠児に比べて30倍に上がるため、母体の骨量は減少しやすくなる

牛乳でのカルシウム摂取はNG (液体でカルシウムを摂取することで、血中カルシウム濃度を安定させようと、骨を溶かすため)


  • お母さんと胎児、両方で酸素を運ぶ能力が必要になるため
  • 胎児は、血液、脳、臓器を急速に作り血液量が増えるため鉄がその分必要
  • お母さんにとって出産への備え
  • 胎児にとって、低出産体重、早産のリスクと、発育への影響

鉄は、乳児期にも脳の発達に重要で、神経伝達、エネルギー代謝に大きな影響を与える


亜鉛

  • 胎児の急速な発達に非常に多く使われる
  • DNA合成、細胞分裂、タンパク質合成、免疫、味覚、酵素反応、ホルモン機能に関与
  • 胎児の、脳、神経、骨、内臓、皮膚を急速に作る際の細胞分裂に亜鉛は大量に使われる
  • 遺伝子を正常に働かせる調整
  • 母体、胎児の免疫機能

亜鉛は、発育、低出生体重、早産、免疫機能低下に大きく影響します

これらを摂取できる食材
  • 必須脂肪酸 (亜麻仁油、さば、イワシ、さんま、鮭)
  • タンパク質 (卵、鶏胸、魚、納豆、豆腐)
  • ビタミンA (にんじん、かぼちゃ、ほうれん草、卵、小松菜)
  • ビタミンB12 (さば、イワシ、鮭、卵)
  • ビタミンD (鮭、さば、イワシ、卵、日光にあたる)
  • 葉酸 (ほうれん草、枝豆、ブロッコリー、アボカド、納豆、小松菜)
  • カルシウム (小魚、豆腐、ごま、豆乳グルト、ヨーグルト、小松菜)
  • 鉄 (赤身肉、カツオ、マグロ、アサリ、納豆、小松菜)
  • 亜鉛 (牡蠣、赤身肉、卵、ナッツ、豆類、魚介類)
  • エネルギー (白米(炊くときにイヌリン)、玄米3分づき、玄米5分づき、果物、芋)
  • 抗酸化 (ブルーベリー、100%純粋蜂蜜、グルテンフリーで無添加カレーパウダー)

赤身肉、マグロ、カツオについては、月に3回以内が良いです

血糖を上げる、白米、小麦、砂糖、人工甘味料、添加物には注意が必要です

カルシウムを牛乳で摂取することで逆に骨を溶かすため、牛乳はNGです

サプリは、体に害を与えるものがかなり出回っているおり、厳密に選ぶ必要があるためご相談ください


気を使うのが難しい場合

  • 魚(魚の油が、生まれてくる子供の喘息や糖尿病リスクを下げる)
  • 野菜、果物 (胎児の神経管閉鎖障害リスクを下げる)

まずはこれらをたくさん摂取してください

避けるべき

  • 生もの (魚だけでなく、生野菜や半熟卵、肉)
  • カビで発酵させたチーズなど
  • タンパク質の摂りすぎ
ハイリスク妊娠と出産
  • 栄養不良 (母体の衰弱、流産、早産、早期破水、低出生体重児、母乳分泌不良)
  • 肥満 (妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、巨大児)
  • 痩せ
  • 妊娠高血圧症候群
  • 貧血
  • 糖尿病
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次